山宮隆の健康実験室速報写真

[98/09/04]

現在までに完成している作品の写真を特別にアップ!タイトルは無理矢理決めてしまいました(急がせるんだもの)。お楽しみに…


背筋連打健康機械

高さ約3メートルの大きなやぐら状の作品。観客は中央のサドルにまたがり、ペダルをこぐことによって動かします。すると、ギアの動きが機械の各部分に伝わり、最終的に観客の背中を機械が叩き、マッサージします。

一般のマッサージ器とは違い、機械の高さなどの位置を観客が調節することは一切出来ません。そこで、気持ちよくなるには自分で座る位置や背中の角度をいろいろ変えてみて調節します。慣れると気持ちよくなるコツがつかめてくるのですが、それまではかなり痛いです。

独身育毛健康機械

観客は椅子に座り、ヘッドギア状のエレメントを頭にセットします。手前のハンドルを両手で回転すると、ロープの動きを介してヘッドギアに取り付けられた小さなブラシがテンポ良く頭上を叩き、マッサージします。

開発ネームは『大ガラス健康ヴァージョン』、かのマルセル・デュシャンの有名な作品『花嫁は彼女の独身者達によって裸にされて、さえも』(1915-23)へのオマージュとして制作されたとかされないとか。

チャップリン式健康機械

観客は自ら巨大な歯車の間に挟まれます。歯車は微妙なテンションで釣り下げられ、しかも柔らかいクッションで表面が覆われています。そのため、挟まっても痛くはありません。むしろ、歯車の歯のつき具合が、背中のつぼにうまくはまって気持ちいいのです。

かつて、映画「モダンタイムズ」(1936)の中で、チャップリンは機械社会への警句として、歯車に挟まれて主人公が右往左往するシーンを描き出しましたが、それ以来数十年を経た現代。逆に歯車は電子製品に取って代わって姿を消し、むしろ私たちはそれにノスタルジックな感情を覚えます。このチャップリン式健康機械では、その歯車にあえて挟まり、半世紀の時の流れを思いつつ快感に浸ると言うものです。(しかし、やはりかなり痛いかも)

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山宮隆 yamamiya@kcua.ac.jp